翌日朝から雨だった。「動きたくねえ!」ので一日テントの中ですごすことにした。
すると昼頃すぐそばで声が。
「Buon jorno.」の声で起こされた。イタリア人が立っている。何か言っている。
「non tentica.」ああ、やっぱりね。
「Can you speak English?」と聞かれて「はい」と答える。
「本当はいけないんだがいいよ、張っていなさい。他の人が来るまでは。」と言ってくれた。
「ありがとうございます、昨日夕方から雨が降って泊まる所に困っていたので。」
2、3これから北イタリアへ向かうことや、自転車の事など、会話が続いた。
雨も止んでいる事に気付いた。
「私出発します、雨も止んだし。でも天気が気になります。今日の天気わかります?」その人は答えた。
「今日は北部イタリアの天気は良く、南へ行くほど悪いそうだ。南は一日中雨で、
北部イタリアなら大丈夫だ。」
「それは良かった、私は北部イタリアへこれから行くんです。」
「しかし君は北部へ行くのにどれだけかかるんだ?」
「3日間です。」
二人顔を見合わせて笑った。そして彼は言った。
「君がパッキングしている間に俺はちょっと走ってくるよ、今日はランニングしに来たんだ。
帰ってきたら僕のメールアドレスを教えよう。旅行中困ったら連絡してくれ。」
そう言って走り去っていった。私も出発の準備をした。その人は走り終えて来た。
「お腹が減っていないか、走るためにはお腹を一杯にしないと。
家へ来て昼御飯を一緒に食べよう、もっとも妻がいいと言ったらだけど。
ここで待っていてくれ、聞いてくるから。」
と言ってその人はまた走っていった。数分してその人はバイクで現れた。
「後ろについて来てくれ。」ついてその人の家に向かうことになった。